プロフィール

清水草一
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買った自動車のこと

87年 日産サンタナXi 5DOHCアウトバーン

 それまで親名義のサンタナに乗っていましたが、心底サンタナが好きでした。そこにDOHCが出たため、これを買わないとイカンと思い、赤のマニュアルという希少車をオーダーしました。パワーは前よりありましたが、エンジンフィールががさつで、SOHCの滑らかなフィールが少し懐かしく思えました。売却時、下取り価格の安さは衝撃的でした。世間知らずだったもので。

89年 日産フェアレディZターボ

 夢のようにカッコいいスポーツカーが出たため、迷わず購入しました。ツインターボのすばらしい加速、マルチリンクのすばらしい足、そしてカッコよすぎるスタイル、当初はなにもかもに本当に満足していましたが、フェラーリ様と出会い、一気に「サツマイモ」扱いに転落しました。焦りから全塗装、セントラル20 のリヤスポイラーで武装しましたが、フェラーリじゃなけりゃ全部一緒という最終的な悟りにより、湖に捨てるようにして売却しました。

90年 日産ADワゴン

 ふだんの足として商用車的なワゴンをと思い、購入しました。集中ドアロックがないとこんなにも不便かと驚愕し、乗り心地の悪さも驚異的でしたが、積載性は抜群で、本当にダメないいヤツでした。ADワゴンで出掛けた出雲史跡巡りの旅、岡山備前焼き&廃線巡りの旅は、美しい思い出です。フェラーリ購入後も、しばらくゲタとして活躍しました。本当にいいコンビでした。

91年 ホンダシティ(N1仕様)

 フェラーリ様を買えない不満のはけ口として、Zを売った金で購入しました。買う前年は筑波のP1300クラスにおいてチャンピオン争いをしたマシンでしたが、いいパーツは引っこ抜かれていたらしく、また練習不足&資金不足も重なり、中位から下位に低迷したまま終わりました。レースを引退する決意を固めさせてくれたクルマです。

92年 フェラーリ348tb(90年式)

 レースをやめ、人生を捨てる覚悟で買いました。詳しくは拙著をご覧ください。


94年 トヨタエスティマルシーダ

 これからはミニバン時代だ! と思い、ADワゴンを売って買い替えましたが、とんでもない失敗でした。こんな牛みたいな乗り物に乗ってられるか! と、3日で捨てたくなりました。我慢して約1年乗りましたが、今でもミニバンに対するトラウマは強烈に残っています。

95年 トヨタスプリンターセダン

 エスティマルシーダを一刻も早く捨てるために、知人からタダ同然でもらって、しばらく乗っていました。平たく言やぁカローラです。すばらしい完成度でしたが、1週間もすると、あまりの無刺激ぶりに死にたくなりました。せめてどこかに明白な欠点が欲しかった。白一色の監禁部屋にいるような気分でした。

95年 ホンダシビックSiR II(走行会仕様)

 レースに対する未練が乗っていたため、走行会に出ようと思い立ち、中古(89年式)で購入しました。ずいぶんカネをかけてチューンしましたが、足を固めすぎて内蔵が痛くて痛くて、ふだんの足としてはかなりつらいものがありました。でも、いいクルマだったなあ。

96年 スバルSVX

 当時経営していた編集プロダクションで購入しました。評価は高かったものの超不人気で、おかげで超お買い得な特別仕様車が出ていたので、それにしました。なにしろレガシィツーリングワゴンのGT系よりずっと値段が安かったんだから。ほとんど投げ売りですね(新車なのに)。「うちの営業所でSVXを扱うのは初めてです」と、セールスマンがとても嬉しそうでした。しばらく乗ってみると、スタイルやサイドウィンドウの開き方を除いて、意外などほ面白味がないことに気づきました。足回りはともかく、水平対向6発がジェントル過ぎました。コンピュータチューンしてみましたが、大して変わり映えしませんでした。ただ、今でもSVXを見かけると、本当にカッコいいなーと思います。

96年 ゴルフワゴンGLi

 今度こそ徹底的な実用車を! と思い、これこそ究極の実用車だろうと思い込んで、日本導入前から見もせずに注文しましたが、乗ってみたらまったくひどいクルマでした。静粛性は超低いし燃費は極悪だし、特に許せないのはブレーキレスポンスの悪さ。こんなブレーキ付けといて「ドイツ車は安全です」もクソもねぇだろう! と、ドイツ人の偽善ぶりに心底腹が立って。イタ車みたいに最初っから「わたし、ダメな女なの」って言うんならわかるけどよー。

96年 マツダデミオ

 社用車として購入し、しばらく自分の足として使いました。ゆるーい、だめーな感じがとっても陽気で、まったく日本のフィアットパンダでした。力の抜け具合が本当に傑作でした。クルマも人間も、適度なスキが大切なんだよな。

97年 アルファ155TS

 ふだんもイタ車に乗りたいという欲望がメラメラと燃え立ち、ゴルフを叩き売って購入しました。イタリア人は「棺桶みたいだ」と言うけれど、日本人にはとてつもなく魅力的なあのボクシーなスタイル! そしてDTM大活躍のイメージがもたらす幻想! 欲しくて欲しくてどうにもならなりませんでした。買ってみたら、サスや偏平タイヤにボディが負けまくってどーしようもなく、早速フロントのタワーバーとロワーバーを装着(そういうところが好き)。コンピュータチューンでちょっと点火時期を早めたら、すばらしい快音を発してくれました。心の底から好きなクルマでしたが、情熱的な味がフェラーリのキャラとかぶり、左ハンドルのマニュアルが2台ってのもかぶってたし、フェラーリをより非日常とするために、断腸の思いで売却しました。

98年 プジョー306ブレーク

 シビックを売ってしばらく、家人の足には実家のBMW320iを借りてたんですが、もう返せと言われ、じゃ何か買わなきゃ! となりました。私はレガシィツーリングワゴンかなーと思ったんですが、家人は何の気なしに見に行ったプジョーをがいいとほざき、内装が超絶安っぽいのが悲しかったけど、まあオレが乗るんじゃねぇしっつーことで買いました。色はプロバンズブルーというステキな水色にしましたが、汚れると悲惨なことに気づきました。エンジンはトルクがあって使いやすくて、スタビリティも高く、走りはいいクルマでしたが、静粛性や使い勝手(あまりにも物入れがない‥‥)は、かなりだめ〜なクルマでした。一度高速道路上でウィンカーが出たまま戻らなくなって、あれは困った。ウィンカー出っぱなしってのは困るもんですねぇ。

99年 フェラーリ512TR(赤)

 突如、「世紀末に12気筒を買わねばならない」と思い立ち、背中にビリビリ電気を走らせながら購入しました。ファイナルがハイギアードなヨーロッパ仕様だったので、3速で200キロ出て、これぞスーパーカーって感じで本当にステキでした。詳しくは拙著をご覧ください。

99年 フェラーリ512TR(白)

 もともと白のTRが欲しかったので、出物があったと電話で聞いてその場で即決しました。日本仕様のためファイナルが低く、3速で180くらいしか出ないのが残念でしたが、見た目の極悪ぶりはまさしくスーパーカーで、卒倒するほどステキでした。詳しくは拙著をご覧ください。

2000年 フィアットプントELX

 車検直前にアルファを手放して買いました。スバル製CVTがとってもいいし、トルクもあるし、車内も結構広いし、なにしろセンスがいい、こんな洒落たクルマが150万円ちょっとつーのは安い、安すぎる! と思いました。現在も家人の足、杉並スペシャルとして活躍中です。

2001年 フェラーリF355スパイダー

 突如、パワステ付きのフェラーリ様が欲しくなり、熟慮の末買い替えました。紺のボディにマグノリアの内装、とにかく死ぬほどお洒落さん。フルオープンで伊藤レーシングのリアルF1サウンドを聴けば甘美な死はもう目の前でした。詳しくは拙著をご覧ください。

2001年 シトロエンエクザンティアブレーク

 プントを家人に取られたため、私のゲタはプジョーとなっていましたが、さまざまな不満が高まり、車検前に絶対買い替える! 今度は絶対エクザンティア! つー固い決意のもと、まず中古探しから始めました。ところが、モデル末期で逆に人気が上昇し、まったくタマがない。そこに突如、新車の在庫整理で驚愕の値引きウン十ウン万円が提示され、翌日速攻で契約しました。長年憧れていたハイドロのシトロエンの乗り味は、まさに絶品。静粛性もすばらしく、内装も豪華(オレにしちゃ)、我が家が初めて買った高級車に、一家揃って感動しました。エクザンティアに乗っていると、どこまでも走って行けそうな気分になると小林彰太郎先生もおっしゃっていますが、マジその通りで、体が弱いオレでも、長距離ドライブが全然苦にならず! とにかく疲れない! ステキすぎ! つーことで、我が家始まって以来の走行距離(2年で約3万キロ)を記録中です。オドメーター6%くらい甘いけど。

2001年 マセラティ430

 北方謙三先生の薫陶を受け、男はハードボイルドであらねばイカンと信ずるに至った私としては、死ぬ前に一度はマセラティにも乗らねばイカンと思っていましたが、ちょうどいいタイミングで、先生直々に「清水はフェラーリばかりじゃなくマセラティにも乗ってみろ」というお言葉をいただき、ソッコーで「マイクロデポ」なるマセラティの変態ショップに出向きました。ちょっと覗くだけのつもりでしたが、運悪く88万円の430が置いてあり、これはどう考えても買わねばイカンクルマのようだとは思ったんですが、なにしろこの年はクルマ買うの3台目だったんでバチが当たるんじゃねぇかと思って一応2日間くらい迷った末、3日目あたりで契約しました。ワイパーの遅さに驚き、エアコンのデキの悪さ(オートエアコンなんだけど、温度が3度づつくらい上昇と下降を繰り返す。暑さ寒さも彼岸まで)に驚き、ギア抜けに驚き、燃費の悪さに驚き、いろいろ驚きましたが、“まるでだめ男”と名付けた割には、いや割にはどころか、まるで故障せずに動き続けて気味が悪いほどです。ドッカンターボの中間加速のすばらしさもさることながら、操縦性のバランスの良さは本当にカンドー的でした。
 没落貴族の懶惰な風情が本当にカッコよかったのですが、2003年初夏、スーザン史子に激安価格で下賜され、ゴルゴと名を変えて生きております。ゴルゴに幸あらんことを。

2002年 日産180SX(ふにふに会共同購入)

 2002年1月、ふにふに会のサーキット&ドリフト修行用として埼玉の奥地の激安国産スポーツ専門店より20万円で取得。あまりのブレーキの弱さにマトモなサーキット走行は難しく、定常円旋回の練習台として、あるいはスーザン史子及びマッチョ足立の移動の足として活躍しましたが、ガスケットにピンホールがあいた疑いが濃くなり、車検切れの2004年1月、ガリバーに廃車費用4000円を支払って永眠いたしました。

2003年 トヨタレビンAE86(ふにふに会共同購入)

 ふにふに会会員のクマが車検切れのまま駐車場に放置していたクルマを、ふにふに会会費によって復活させ、スポーツパッド装着やオイルクーラー設置などの簡易チューンによって、サーキット走行車両としてデビューいたしました。サスが抜けまくっててロールがバカデカいのが難点ですが、軽いクルマってスバラシイ! という感動を蘇らせてくれます。

2003年 フェラーリ360モデナ(通称ウルトラスーパーカー)

 2年半のスパイダー生活でフヌケた魂をフェラーリによるサーキットアタックで叩き直すべく、一転超硬派な黒メタの360モデナ6MTに代替えさせていただきました。ナンバーは新車時正規価格の1645(並行モノだけど)。そして赤TR以来4年ぶりに名器・キダスペシャルを装着。そのコブシの効いた爆裂サウンドに酔いしれています。どノーマルでのサーキットアタックはあまりにも操縦性がシビアでおしっこチビりまくりでしたが、車高をフロント4ミリ、リヤ8ミリダウンさせることで驚異の変身ぶり(フェラーリ様はノーマルサスが車高調つきです)。ハチロクレビンのごとく思いのままの動きを見せております。ノーマルのセッティングっておかしーんじゃねーの? という疑念、いや確信を抱きつつ、あまりのすばらしさにショック死しそうなほどメロメロです。

2003年 日産S14シルビアフルチューン仕様(ふにふに会共同購入)

 もともと知り合いが趣味のサーキット走行を始めようとヤフーオークションで50万円で落札したクルマでしたが、ヒーローしのいサーキットで試乗させていただき、そのあまりのすばらしさに一目惚れ。どうしても手に入れたくなり、無理言ってふにふに会より共同出資、ラインナップに加えさせていただきました。国産スポーツってフルチューンするとこんなに良くなるんだ! マジかよ! という驚きに打ち震えています。2003年12月、ヒーローしのいにて横転いたしましたが、翌3月、修復成って復活を果たしました。

2004年 プジョー360カブリオレ

 突如としてカッコいい4人乗りのオプンカーが欲しくて欲しくてどうしようもなくなり、2004年7月、プントを下取りに出して179万円にて購入しました。なぜ306カブリオレだったかと申しますと、まずはピニンファリーナによる、オープンでもクローズドでも流れるようにステキなスタイリング。そしてしっかり4人乗れる実用性。この2点ですか。走りはテキトーでよかったんで。実際買ってみると、オープンカーは適度に遅い方がいい! ということをしみじみ実感。4人乗車でオープンカービヤホール(ドライバーを除く)をやれば、人生これ以上の楽しみなし、みたいな感じです(フェラーリ様を除く)。「黒カブさん」というオトメチックな名前をつけ、日々かわいがっています。

2006年 ランチアイプシロン

 とてもステキだった306カブリオレですが、家人が花粉症で一番いい季節にオープンにできないとか、高速を走ると風切り音が猛烈&近所を這い回ってると燃費がリッター6キロ‥‥などの小さな弱点があり、んなら前からスタイリングに超絶惹かれていたイプシロンに突撃してみようということで捜索を開始。タマは激烈に少なかったものの、八王子のはずれの店にポツンと置かれていた98年式の朱色のイプちゃんを発見、78万円にて速攻購入して参りました。あまりにもステキな内装、信じられないほどの注目度の高さ、いくらアクセルを踏み込んでも140キロしか出ない60馬力エンジンなどなど、なにもかもが甘美です。

2007年 ダイハツエッセECO

 「遅くて燃費も大して良くない」ということで、それまで軽自動車にまったく無関心だったワタクシですが、低速トルクの大幅向上を果たししたダイハツの新エンジンに感動。中でも軽自動車中最軽量最廉価のエッセECO(5MT)は、幻の憧れのクルマとなりました。ところが昔からの友人がそれを購入→街中でナメられ割り込まれまくるのに嫌気が差して手放すことになり、わずか45万円にて入手することができました。初めての軽自動車は新鮮そのもの。その取り回しの良さは感動的で、燃費は最高でリッター21キロを記録。MTを駆使して低パワーのコンパクトカーをトコトコとロハスに走らせるヨロコビを知ることができました。ボディカラーがオレンジ色なので「みかんちゃん」と命名し、日常の足として重宝しております。

2008年 フェラーリ328GTB(日本仕様)

 4年半、ウルトラスーパーカーこと黒の360モデナを堪能し尽くし、サスや空力を改良し尽くしたところで、ふと原点回帰をしたくなりました。ワタクシが最初に欲しいと思ったフェラーリは328GTBだったのです。でもまだ買ってない。だから買わなきゃ! という情念に襲われました。前へ前へと進むより、時には後ろに戻った方がかえって刺激的かもしれないという期待もありました。シブすぎるシルバーブルーのボディは、地味で清楚な美少女そのもの。地味な女性のイメージから「加代」と名付けました。

2008年 フェラーリ328GTS(ヨーロッパ仕様)

 加代様の癒しの味わいは、ウルトラスーパーカーとは正反対の世界。それはそれで大変ステキだったのですが、ほんの偶然から「コーナーストーンズ」に入庫したヨーロッパ仕様の328に試乗させていただいたところ、エンジンの吹け上がりのあまりの違いに驚愕、俄然、そっちが欲しくなってしまいました。3分ほど熟慮の末、わずか1カ月間にて加代様を手放し、買い替えることを決意した次第です。申し訳ありません。新たな328は黒のGTS。ホイールまで黒のイケてる昭和の美女です。そのイメージから「ヨーコ」と名付けましてございます。「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」のヨーコです。エアコンが効かないので窓全開で爆走すれば、ハードボイルドな男の世界、マンダムです。